暮らしのそばにある
樹木を美しく安全に保つ
特殊伐採と剪定
近年、地球温暖化などの影響により今までにない大規模な自然災害が増加。
健康な樹木でも、思いもよらない方向からの強風により突然倒れてしまったり、枝が折れてしまうことも。そして倒れた木や枝が家屋にぶつかると、生活にさまざまな被害が及ぶ危険もあります。
そんなリスクに備えて安心して暮らし続けられるように、住宅の周辺やお庭にある木々の調整・管理は非常に大切です。
フィールドスケープでは、人の手で木々を伐採する「特殊伐採」やお庭の木々の「剪定」を通して、身近な自然を美しく安全な状態に保てるように取り組んでいます。
目次
高い技術と経験が必要な「特殊伐採」とは?
「特殊伐採」とは、木を倒さずにロープなどを使って木に登り、上からロープや特殊な器具を使用して伐採する方法です。
主に住宅地や道路の狭い場所など、木を倒すスペースのない場合や大きな機械が入り込めない場合に用いられています。
周辺の状況や木の状態によって臨機応変な判断と行動を取らなければいけない特殊伐採。プロの中でも洗練された高い技術と経験が必要な作業です。
特殊伐採は、何人かのチームを組んで作業します。木に登って枝を切り落とす人、木の下でロープを引っ張り枝を安全に地上へ下ろす人。お互いの連携が欠かせません。
まずは、周辺の状況を見ながら作業の流れを決めます。根元から全て切り倒すのではなく、生かせる部分は生かす。そのため、どこまで切ってどこを残すのか事前に決めておきます。
とくに家屋に近い木を伐採する際は、慎重かつ安全に作業しなければなりません。例えば瓦屋根の上まで枝が伸びている場合、屋根の上に少しでも木や枝の破片が落ちると瓦が割れてしまう恐れもあるからです。
そのリスクを避けるためにも、不要な枝や危ない枝は先に切りながら、少しずつ木に登っていきます。
伐採の現場は、一つとして同じ状況はありません。木の種類、状態、建物との距離、切り落とした枝を下ろす場所。それぞれの状況に応じた的確な判断力と対応力が必要です。
「私は特殊伐採をはじめて20年くらいになりますかね。はじめは危険な経験もしましたけど、とにかく経験ですね。やればやるほど早くできるようになっていくんじゃないかな。切った枝が落ちてくる方向とか、どこを足場にしていくかとか、たくさん考えなきゃいけないことがあるから。いろんな状況を経験すれば、自ずと判断力が身についていくと思います。」
ー 川島
「切るときは、落ち方も考えながら枝にロープをかけるんですよ。この枝を切ったらこの方向に落ちるから、このあたりにロープをつけようとか。それに合わせて下に居る人に声を掛けて、ロープの長さを調整してもらいます。「ここを切るよ」とか「こっちに下ろして」とか、その都度お互いに声を掛けながら引っ張ってもらう。切り方だけじゃなくて、下でロープを引っ張る人との連携、信頼関係が大事ですね。」
ー 川島
伐採した木材を再利用・循環する取り組み
フィールドスケープで伐採した木の一部は、自社にある機械でウッドチップに再生。チップにしたものは、幼稚園や保育園などの園庭に敷くなど、子どもたちの遊び場でクッション材の代わりに使用しています。
「やっぱり生きてる木を切ってるので、木材になったものをできるだけ再利用して循環させていきたいっていう意識はありますね。そうじゃないと、ただ命を壊してるだけになっちゃいますから。」
ー 原
切って終わりではなく、木々の循環再生により自然とともに生き続けられる未来を目指しています。
木々が自然な美しさと健やかさを保てるように
特殊伐採と同じく、住宅の周辺やお庭にある木々の調整に欠かせないのが「剪定」です。
例えば、木々の葉っぱや枝が混みすぎると、風通しや日当たりが悪くなって虫が発生したり、病気にかかったりする原因になります。そうならないように、樹木のバランスを調整するのが本来の剪定の役割です。
そのためフィールドスケープでは、なるべく本来の樹形を壊さずに自然な形になるような剪定を心がけています。
木々には、それぞれ自然に見える枝ぶりがあります。その樹形に寄り添い、どんなふうに枝を残せばその木らしく見えるかを考える。そして、これからどの方向に枝が伸びていくか、それにより風通しや日当たりはどうなるかも考慮しながら剪定をしていきます。
「庭があるってことは、身近に自然ができるってことじゃないですか。たとえ少しの木でも、生活の中に自然を取り入れて自然とともに生きていくっていうことの最小単位が庭かなと思うんです。だから、自然とともに生きるきっかけになるような、少しでも生活に癒しとか幸せをもたらせるような庭づくりをしていきたいですね。」
ー 原
また、個人邸のお庭の剪定では、お客さまとのコミュニケーションも欠かせません。
まずはお客さまとお話をしながら、どの木をどんなふうに調整していくかを相談。お客さまのご要望に寄り添いながら、樹種に合わせて剪定していきます。
例えば実のなる木は、基本的には実のなる枝をなるべく残せるように調整します。しかし、実がつきすぎて大変だというお客さまには、なるべく管理の手間が減るように枝を選ぶ必要もあります。
そんなふうにただ木を切るだけではなく、お客さまの生活に寄り添ったより良いお庭になるように調整していくことを大切にしています。
原 淳一
Junichi Hara
代表
川島 淳一
Junichi Kawashima
常務取締役
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